土は何のために地球に生まれた?その②
前回の続きです。
前回の記事はこちら。
土は海から陸地に上陸した植物プランクトンから始まったという話をしました。
その植物プランクトンが上陸して植物に進化したと言われていて、
陸地の表層に堆積した栄養素(かつて海であった場所が隆起したため海底に沈殿していたものが陸地に上がってきている)
を溶かして、取り込むために根っこという器官ができました。
そして海の上よりも起伏があり、日陰の場所もあるので、太陽光をよりしっかりと浴びるために、
茎ができて、その上の葉っぱで太陽光を浴びるという構造になりました。
そして陸地では栄養素を安定的に摂取するのが難しいため、どこか貯蓄しておく場所が必要になってきます。
せっかく苦労して吸収した栄養も、自分が死んでしまえば、また雨に流されてしまったり、他の物質と結合してしまったりで、次の世代はまた苦労して自分で一から集めないといけなくなります。
そこで植物と微生物は、集めた栄養素を安定的に蓄える環境として、自分たちの亡骸を土という物質に作り変え、栄養があり、程よく水分があり、直射日光も強すぎないという理想的な生息環境を整えていったと推察されます。
つまり今、当たり前のようにある土は、今まで生きてきた生物の亡骸の積み重ねであり、
自分たちの子孫や生物全体がより生きやすい環境を遺してきた結果であるということです。
土はもう当たり前にあるものなので、どんな畑づくりの教科書にも書かれていませんが、当たり前のようでいて、とてもとても永い年月をかけて生物たちが築き上げてきた奇跡の結晶であり、その上で私たちはまた新たな生命を育むことができているのです。
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