うまく野菜が育たない時に覚えておいて欲しいこと。
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子供たちへ。
今日は畑で何か問題が起きた時について、伝えておきたい。
虫に葉っぱを食べられたり、
台風で茎が折れてしまったり、
病気で枯れてしまったり、
狸やイノシシに食べられたり。
野菜を育てていると、いろんなトラブルが起きてくる。
今まで手塩にかけて育てていたのに、
そういった思わぬ自然現象で
急にやられてしまったら
とても悲しいし、
憤りを感じることもあるだろう。
特に初めてそんな事態に直面する時は、
とても大きなショックを受ける。
この出来事自体は悲しいことだけれど、
でもこんな時こそ大切にして欲しい。
丁寧にそのことに向き合って欲しい。
【自然は良い方向にしか進まない】
いつも話しているように
自然は常にその空間を豊かにするために動き、
流れている。
その流れが遮断されたり、
バランスが崩れたり、
滞りが起きると
自然はその滞りを破壊し、
流れるような浄化の作用が起こる。
これはまさに自然治癒の仕組み。
それぞれの虫や草は
バラバラに動いているようだけど、
長い年月をかけて
絶妙なバランスの仕組みを創り上げている。
僕の師匠がよく
「自然界は良い方向にしか進まない」
といっていた。
野菜が自然現象によって
育たない時も
どんな理由であれ、
常にその時起こっていることは、
全体を豊かにするための理(ことわり)が働いているということを
理解しておいて欲しい。
【ただそれだけの違い】
自然界は常に全体の豊かさのために動いていて、
僕らは自分たちの豊かさのために動いている。
その違いが
悲しみや苦しみ、問題を生んでしまう理由なのだと思う。
ほんとただそれだけの違い。
どちらが悪いわけでもない。
ただ現実として
この理由を理解していなければ、
いつまでも問題は解決しない。
ちょっと大げさに聞こえてしまうかもしれないが、
結果としてその積み重なりが
今の環境問題に現れているというのが事実のように感じている。
【共に豊かになる道】
ここで僕が君たちに伝えていきたいのは、
自分の豊かさよりも全体の豊かさを選ぼうということではなく、
全体も自分も豊かになる道を模索して欲しいということ。
自然と共創・協奏し、
自分も含めての全体が豊かになる空間を創造する力を
僕らには与えられていると思うんだ。
そして、全体の豊かさが自分にとっての豊かさであると
心から感じられるようになった時、
全体の流れに自分を委ねられるようになった時、
その時こそ真の自由や幸福を感じられるのだと思う。
どうしたら
人も自然も含めた
わたしたちが共に豊かに生きる
空間を築き上げていけるのか。
全体を常に俯瞰しながらも、
よーく観察し、
事実を見極め、
知恵を働かせ、
持っている技術を総動員する。
またその結果を観察し、
それに応じる。
その繰り返し。
そしてその結果、そこから得られる恵みを
多い、少ない、良い、悪いに関わらず
喜んでいただき、味わう。
それはポジティブ思考とかではなく、
事実を受け入れる力。
もちろんこれは理想であって、
すぐにこんな境地になれるわけではないと思う。
それでも何か問題が起きて、
野菜がうまく育たない時にこそ、
自然が静かに優しく、そして厳しく発しているメッセージや
大いなる意図に想いを馳せ、
理解し合うきっかけにして欲しい。
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